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谷汲山華厳寺(前編)

  • 2006.04.25

  • おでかけ


ぶらぶら散歩道
 **春の「たにぐみさん」谷汲山華厳寺へ行こう!!(前編)***
 
スローな暮らし
山深く、春がゆっくりと訪れる「たにぐみさん」
谷汲山華厳寺へいこう。
 

 

総門をくぐりぬければ、淡いピンクにつつまれた、のどかな桜並木。
道の両脇には、昔ながらのおみやげやさんが並びます。

ゆったりと、桜景色を眺めながら、華厳寺にむかってぶらぶら散歩。
チリ-ン、チリー~ンと鈴の音があちらこちらから。

そう、ここは西国第33番満願霊場。
笈摺[おいずる]を着た巡礼者の姿が多いところ。
絶え間なく焚かれる、線香や煙り、お経のこだま、ろうそくの炎のゆらめき。
人々の祈り。
さわさわさわと山水の流れる音や小鳥のさえずり、
自然の音色と人々の祈り、観光客のざわめきの入り交じる
独特の雰囲気のお寺です。

まずは、本堂の入り口の両柱にある青銅でできた鯉に注目。
お金がはさんであったり、訪れた人が皆ペトペトさわっていきます。
私も、負けじ!と手をのばして懸命にさわります。
祖母に、この鯉に撫でると運が良くなると聞いていたのですが本当の意味は三十三ケ所を巡り歩いた末、この鯉を撫でると精進落としになり俗界に戻るという意味なのだそう。

本堂の両脇を固める灯籠も、なにげにキュート。
ハートややかんのマークには微笑ましくなります。

 
自分にチャレンジ!
勇気のある人は、戒壇くぐりへ。(100円です)
 
 


真っ暗で本当に恐いのですよ~。穴の一番奥には鍵があってそれに手でふれてから戻ります。
実際にはそんなに距離は無いのですが、曲がりくねっていたり、でこぼこと高低があったりして、
頼りにしている感覚が狂って、めちゃくちゃ長い距離と時間を感じます。

音も光もまったくない世界。暗闇にポツンと自分という存在だけ取り残されたような感じ。
自分の中の未開発のいろんな部分が刺激されます。

小さな頃、祖母に連れてきてもらい「悪い心を持っている人はでられないんだよ~」と言われ、
縮みあがっていたことを思いだします。昨年、友人と肝だめしのような気分で
心臓をバクバクさせながら試しました。真っ暗すぎて頭がおかしくなりそうでした。今回はお腹がすいて、倒れてでられなくなったら最悪なのでパス。

 
本堂の裏
満願堂へ。
 

 

巡礼者が訪れる満願堂。
タヌキの像が一杯あってびっくりします。お腹がぽっこりでて、リアルな表情のたぬきの石彫り。

▲おなかがぽっこりでた、たぬきがたくさん!!
▲びっくり顔!?

この周辺は晴れると、本当にタヌキがでてくるそうです。
圧巻は、奥の院の入り口にある、見タヌキ、言わタヌキ、聞かタヌキ。"スリーブラザーズ"。←勝手に命名

←丸出しだって。

 

ここまで来たなら。
いっそ、奥の院へ!

 
 

▲山道
▲山道、むき出し根っこ
▲頂上からの風景

谷汲の真髄を見たいなら、
妙法ケ岳(666m)にある奥の院を目指しましょう。
33体の石仏を頼りにひたすら山道を歩き続けます。

「え?ここ歩くのーーー」
驚くような木の根元が露出したけもの道!です。
根っこを傷つけそうで、進むのに躊躇します。
石もごろごろしていたりする。
それにも負けずに、ひたすら歩き続ける。。。
途中から、徐々に道も整ってきます。

線香の香やざわざわしていた人の気配も遠のき、
水の流れる音や風の音、豊かな自然の姿に出会えます。
ときおり響くウグイスの声もかわいらしい。

ゼイゼイと息をきらし、汗をかきながら、30分ほど歩き続けると、ようやく、奥の院にたどりつきます。

明るく、軽やかで開放的な空気。
やっっっと。求めていた谷汲の姿に出会えた!と感激。

人ごみで混雑して重苦しかった下界とは全然違うんです。
思う存分、心を落ち着けてお参りできます。

景色も最高!山桜やつばきの花、若芽が芽吹いた木々、心地よい風、連なる山々。
はるか彼方には人里がのぞめ、温かい茶でもすすりながらゆっくりと休憩したくなる
素晴らしいところ。オススメです。



▲「ひる注意!」の看板。ぎょえっ。恐ろしや。ヒルに吸い付かれるなんて、西表島以来。 ▲ぜいぜい言って、もう戻ろうかと躊躇した時目に入った看板。「マイペース」
そうだ!急ぐ旅にはあらず。無理せずに、ゆっくり進もう!
▲疲れて座り込んだら、こんな小さな花に出会いました。親指くらいの大きさ。キノコも。