2012年 11月10日 岐阜市・三甲美術館  

美術館の庭園にあるドウダンツツジが紅く染まる頃に語り舞の公演を開催して10回となりました。
野外公演は、天候が心配でいつもハラハラします。

2012年は夏の暑さが、異常な程長かったのですが、ようやく、秋が訪れたと思うや否や、一気に気温が下がり、「もう少し秋を楽しみたいのに・・・」と呟きながら、厚手の上着が必要な日々が足早にやってきました。

急激な気温の変化で、2012年の紅葉は全国各地できれいと言われる中、三甲美術館の庭園も暖色に彩られ、公演当日、やわらかな陽ざしに恵まれました。

『紅葉の頃、語り舞公演を開催したい』と、美術館の方にお声をかけていただいてから10回目を迎えることができました。
毎年、足を運んで下さる皆様、美術館のスタッフの皆様、多くの方々の支えをいただいて公演を続けることができた喜びは、言葉では表すことができません。

公演当日にお配りしたパンフレットの言葉の一部とこれまでの写真、こちらもホームページにご紹介いたします。
(パンフレットより抜粋)

毎年一年の始まりには、手帳に目標を掲げます。
2012年は、“自立と自律”と書きました。自立は、甘えず自分の足を大地にしっかりつけて立ちたい。自律は、より集中し心と体が健全で、自分で調整できる力がほしい。
こうした大きな大きな目標でした。
先月、石川県の白山比刀iひめ)神社に行ってきました。本堂の清らかな空気が肌を包んでくれ、肩の力が抜け、お腹に力が入ったような感覚になりました。そしてふと目に留まったのが、今月の言葉と書かれた紙。荘子の『止水(しすい)に鑑(かんが)みる』 流れる水はざわついているので、人の姿を映し出すことができない。静止した水は澄みきっているので、あるがままに人の姿を映し出す。いかなる事態に遭遇しようと、そのような心境になれば、慌てることもなく、正しい判断を下すことができる。   
この言葉を胸に、白山霊峰の湧き水をいただくと、なんとも爽やかな心地になりました。

10回を記念して、三甲美術館では初めて地唄舞を上演。演目はご祝儀曲の『寿』

そして語り舞は、美術館公演第1回と同じ、源氏女人抄『末摘花』

頂いたアンケートの一部ご紹介

40代 名古屋女性 5回目
地唄舞「寿」 語り舞とは違う、ピンと張った所作
舞い終えた姿を見送る→この時の室内での出来事…
どの方も感動してポカーンとしていたら、後ろで「この会は拍手しないのですか。初めてでわからないですけれど」と声がした。隣の尋ねられた方、「そんなことないです。感動してできなかったんです」と、私と同じ気持ちを申された。
想像以上に魅せられ、気を失っていた。
どこのどなたか・・
語り舞2回目でしたが、青空に紅葉、美しい庭園、趣きのある茶室の舞台、ぜいたくな時間でした。またまた、ファンになりました。本当に幸せでした。
60代 名古屋女性 5回目
地唄舞の解説は、「舞」の前に放送した方がよかったと思います。
あり…貴重なご意見をありがとうございます。 時間をどうつなぐかではなく、お客様がどう満足なさるかですね。
どこのどなたか・・
地唄舞  舞は静かなものと思っていたけど、本当は力強い生命感あふれるものと思いました。
語り舞  とてもおもしろく見ました。物語の世界に引き込まれました。
公演に関して・・パンフレットの書き方が不親切。舞うのが出雲さんなのか、松本さんなのかよく分からない。
あり…松本あり=出雲草 と、ずっと書き続けてきました。イコールで分かると思っていたのは、いけませんでした。
そろそろ、どちらかの名前にしたほうがよいのかもしれない。と思うメッセージでした。ありがとうございます。
国立劇場小劇場  2012年11月24日(土)

平成24年11月24日土曜日、出雲蓉師匠のリサイタルが、国立劇場小劇場で開催されました。第2部は弟子が出演する一門会。
私は、地唄舞の「鉄輪」を舞わせていただきました。
鉄輪は、夫に捨てられた妻が、貴船神社に丑の刻参りをし、鬼女となって怨みに思う夫 とその女の枕辺に迫り、命を取ろうとせめよります。しかし、安倍清明や神々に調伏され、 今はこれまでと退散するお話を表現します。
鉄輪とは、火鉢の中に置く、鉄でできた三本足の道具、五徳のこと。
能の鉄輪の後半部分の歌詞がそのまま唄われています。