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03.優れたインスタレーションのなかに入っていくと・・・
02.がらがらの美術館で思ったこと・・・
01.例えばアートを緩衝材にするような・・・
 
さて、今回あたらしくはじまるこのコーナー「美術の穴」。ちょっとのぞいただけではわからない、底なしのアートワールドを一緒にのぞいてみませんか?アートな休日の実践法、美術館や展覧会の紹介、アートについてわたしが日々考えていることをつづってみたりなどなど・・・アートな出来事をたくさん紹介していきます。
それでは。見慣れた日常の世界から、ちょっとだけトリップ!

美術の穴 第3話 「優れたインスタレーションのなかに入っていくと・・・」
 今月も行ってきました、展覧会。今回は名古屋市美術館で開催されている「現代美術のポジション2003」です。東海地方に在住の9名の美術家の作品が出展されています。1994年の「ポジション1994名古屋発現代美術展」、1997年の「眼差しのゆくえ現代美術のポジション1997」にひきつづき、東海地方における現代美術の成果を紹介する展覧会です。
現代美術というと、絵画、彫刻といった方法にとどまらない多様な表現方法からかとかく難解だといわれがちですが、とくに「解ろう」とする必要もないのだし、自由に楽しむのがピエール流です。そんな気軽な気持ちででかければ現代美術の展覧会は遊園地のようなもの。今日はどんな楽しいアトラクションに出会えるのかな?

 染谷亜里可(1961-)の「Decolor」と題された作品群はベルベットを脱色して絵柄を浮き出させるという手法をとっています。ベルベットの質感の上にモノクロームの風景が浮かびあがる。光を吸収する布は独特の世界を表現しています。例えば、ろうそくの光に照らされたようなじゅうたんが浮かび上がっているこの作品の前にたてばじゅうたんの敷かれた部屋のその先の漆黒を表現するのにベルベットの質感が最適と思われるのです。油彩でも岩絵具でぬったのでもなくベルベットを脱色するという方法によってこの闇は表現されるべきだったと思えるから不思議です。

 佐藤三恵(1973-)のインスタレーションはこの展覧会での一番のお気に入りになりました。展覧会場に一つ木の扉があります。そこをあけてみてください。中には一枚の絨毯。その上に一脚の椅子。たっぷりとした薄い白い布の天蓋に天井はおおわれています。正面には大きな窓。なぜかガラスは割れ、絨毯や椅子の上にその破片がちらばっています。部屋の中には風が吹き込んで窓の外では風の鳴る音がします。まるで小説のワンシーンに入り込んだかのよう。絵画を見た時などのように自分の頭の中に何らかの感覚が生まれるのではなく、体のほうが作品の中に入り込み全身で何かを感じ取ろうとする。インスタレーションという様式の醍醐味はそこにある。そして、これはとても優れたインスタレーションだと思う。

 この展覧会、3月いっぱいまでやってます。みなさんもぜひ不思議な世界、美しい作品を体感しにいってみてくださいね。かまえないで見られる、とても楽しい展覧会ですよ!

text:pierre.n
 
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